太田初夏通信ーvol.26
※日記※
6月27日(火)
急に暑くなって、やや体調が悪くなりつつあったので、エアコンをつけて眠るようにした。お陰もあって、ぐっすりと眠れて、体調良く働けた。水分補給もしっかりし、これからは健康管理にも気を付けなければならないなと思う。まだ梅雨明けはしてないが、暦の上では夏だから、夏を楽しめる体作りからしていきたいなと思う。
6月28日(水)
何歳になっても初々しくありたい。年齢を重ねて経験を積んでも、どんどん時代は新しくなり、自分の知識は古くなってくる。いつも学ぶ姿勢で、老若男女問わず分け隔てせず、知識を吸収する気持ちでありたい。新しいものをどんどん磨いて、味が出る人でありたい。
※作品(詩・散文)※

『チューベローズ』
アーケードのある古い商店街
ひび割れたコンクリートの地面に
淡い光射し
慎み深いゆえ孤独を抱える女の呟きに似
有線の歌謡曲がかかり
それは透明な湖の底に流れる水音のように
美しく通りを歩く老婦の押す車に
カラカラと巻き込まれていく
魚屋の主人はトロ箱に
冴え冴えと光る氷を流し込み
もう帰ることの出来ない
遠い海をまだ見ているような青く光る魚の眼に
触れる事なく無造作に掴んでは入れ掴んでは入れし
それは深い慟哭の姿であり
その魚を品定めする老婦の眼に
硬直し鈍く輝く魚の光沢が映りこみ
それはとある一日海辺に座り見た海の輝きであり
もう届く事のない意識の端できらきらと漂っている
八百屋の主人はくたびれた葉を毟り
規格品のように真直ぐに伸びた白い大根を店先に並べ見つめる
視線の先に
降ろされたままの鈍色のシャッターに
貼られた色褪せたミュッシャのポスターがあり
遠い昔愛した女の今を傷つく事を恐れながらそっと思い
焦点はずっとずっと遠いところへと去っていく
そしてふと我に帰り
ずしりと重いかぼちゃを手に取る
靴屋の店番をする婦人はタバコを吸い
深く吸い込んだ煙は淋しさで空いた穴に
溜まって埋まる事がない
ライターをつけては消しつけては消し
点る火に
自分の持つ烈しさをかいまみ
新しい革靴の匂い
その靴で歩く男の匂い
高いヒールを履いていたあの頃のふくよかな匂いに酔い
傷つく事を怖れなくなった自身の抱える痛みに
チューベローズの甘い快楽の匂いが漂う
商店街のアーケードにも梅雨が到来し
有線の歌謡曲を子守唄とし
すくすくと育った燕の雛たちは羽を伸ばし
次々と巣から飛び立っていく
※食卓※

6月27日 夕食
鮭のチーズマヨネーズ焼き・肉団子の甘酢あんかけ・野菜サラダ
鮭の切り身が安かったので、オーブンで鮭のチーズマヨネーズ焼きをした。作業所のお弁当メニューで気に入っている料理を参考に作ってみた。肉団子の甘酢あんかけは、冷凍肉団子を玉ねぎとピーマンを合わせて、甘酢あんで合わせた。両方ともとても美味しかった。

6月27日 おやつ
ヤマモモのシロップをソーダ水で割って、試飲してみた。まだ完全に漬かってないが、試飲してみると、いい具合に仕上がっていて、これからもうしばらく漬け込んでいると、もっともっと美味しくなりそうだ。妻からも好評だった。

6月28日 朝食
バナナシュガートースト・目玉焼き・トマト・サラダ・蜂蜜ヨーグルト
バナナを焼くと美味しい。甘味がギューッと凝縮する感じがとても好き。しっかり食べて、朝のうちに仕事を片付けて、あとは翌日の準備をして、早めに切り上げて帰る。この流れがうまく回っているので、家事もしっかりできる。

6月28日 夕食
赤飯・ゴロゴロ野菜のコーン焼き
赤飯が食べたかったので、普通のお米で赤飯を炊いた。ゴロゴロ野菜のコーン焼きは、外食メニューで出た料理をヒントに、コーンスープの素とニンニクとバターで、野菜と焼き豚を炒めて食べた。いろいろな野菜を食べることができるし、スタミナもついて、私の料理のレパートリーになって、これから冷蔵庫や食品庫に眠っている食材を使って作れるので重宝しそうだ。
※詩や小説や曲の感想※
『Rains feat.Sarah Kang / Sho Asano 』
Included in Sho Asano 2nd EP “ PORTRAIT 2 ”
雨の季節には、雨の歌を聴きたくなる。このPVが秀逸で、歌の世界観とよく合っている。Sarah Kangさんと声が重なるサビの部分には、思わず心が打ち震える。美しい歌声と決して邪魔しないで、寄り添う楽器の音は、雨と風のよう。私の身体の中には、確かに魚の部分があって、雨の匂いがすると、包まれて「大丈夫」と言われている心地になる。sho Asanoさんの歌の中に 『Sugar Rain』という曲もあって、こちらもムードがあって、包まれている気がする。
※編集後記※
いつも時代にときめく人でありたい。過去現在未来を嗅ぎ取って、カメラのレンズのピントを合わせてから、シャッターを切りたい。綻びの出る機材とレンズを磨いて、ピントを合わせる作業を怠らず、オールドレンズで味のある撮影ができたなら、それでOKなのだ。

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