太田初夏通信ーvol.64

ようやく体調が戻りつつあり、仕事も私生活もリズムが出てきた。妻の居ない一人での生活も慣れつつあって、寂しさにも慣れつつある。人間慣れていくんだよなと思いながら、少しでもいい方向に向かうように、あがいたり知恵を絞ったりする。僕は利回りの低い金利で、長期間で結果出すタイプなのだから、身近な人に大きな利益を与えられないのかもしれない。
太田初夏 2024.03.03
誰でも

※日記※

2月26日(月)

実家のWi-Fiの手続き作業で、父から緊急連絡があった。父の切迫感ある声に至急行かなきゃと思い、食べかけの食事は放っておいて、火の元戸締り確認だけして、自転車飛ばした。

実家に着くと、業者にこんな風に連絡してくれというレジメを前に両親が黙り込んでいる。一瞬で状況把握したが、取り敢えず話を聞こうと思って、二人の間に入って、まず父に話を聞いた。そして母に。この順番はいつも守っている。父の出番を作りつつ、母の的確なフォローを聴いて、万事OK。

父の携帯でオペレーターに繋ぐ。女性オペレーターの声を聴いて、しっかりとして話がわかりやすかったので、話を進めていく。どうやら少し前に父の応対をしてくださった方のようで、その後は最後までうまく話が進んで、すぐに話しついて完了した。こちらがしなければならないことも把握できで、父の懸念していた事項も聴けて、父にも説明できたし、発送するものは、私が発送をすることにすると、両親ともホッとしていた。

母に知らないうちに、あんた仕事きちんとできるようになったんだね、あと少しだから辞めずに続けるんよと言われた。こういうときは子供にかえって、嬉しく素直に受け止めた。

2月27日(火)

指導やアドバイスをしている方が、なんだか仕事しているようで、自己満足感あるのかもしれないが、あえて要所要所しか手を出さない方が、人は伸びるのだろうなと思う。ここは少し手を貸した方がいいなとか、声かけた方がいいなというところだけは外さなければ。

意識として、比較しない、上から物を言わないようにすることには気をつけている。この方は私よりは遅く始めたが、ポテンシャルは高くて、必ず能力の開花する人という感覚を常に持っている。私はそのお手伝いをしているだけなんだと思っている。凸凹しているからこそできることがある。私自身がかなり凸凹していて、周りの人が私を見捨てなかったから、私は現在は少し辛い立場に立っている方の隠れている、隠している能力を引き出す触媒的な立ち位置であればいいのかなと思っている。

2月28日(水)

花屋はすっかり春になって、彩とりどりの花たちが並んでいて、楽しい。仕事の帰り道に、立ち寄って、ミモザとチューリップを買って、持ち帰って飾った。妻がいれば、手際よくきれいに飾ってくれるのだが、なにぶん活けることに関して、全く知識のない私である。見よう見真似で、ガラスの器に飾った。うまくいかないこともたくさんあるけれど、うまくいっていることもたくさんある。どちらも精査しながら、コツコツと自分を磨いていけばそれでいいんだよな。

2月29日(木)

私は現在の仕事に就く前に、作業所に数年通った。時給100円で内職作業をしたり、厨房でお弁当作りをした。病院の医師は、作業所はレベルが低いから行かない方がいいし、何のメリットもないですよと話していたが、私は作業所の見学に行って、何かの縁、ここから始めてみようと思った。入所してみて、私自身、人の意見を聞かない、休憩時間も仕事しているという、本当に凸凹していたし、人との距離感や、していいことしない方がいいことの感覚がかなりずれている人間だったと思う。今はどうかと言うと、根底にあるものは何も変わっていない気がするが、外での振舞い方や身のこなし方はよく学べたように思う。

作業所で通っていた友人が、何か嫌なことがあっても絶対に怒って暴れては駄目だと話してくれた。それが人間としての負けなんだって。馬鹿にされても、不遇の目にあっても、見ていてくれている人がいて、コツコツとやっていると必ず潮目が変わって、いい流れになる。そういうことを学べてから一般就労できたことは本当に良かった。作業所から出て、いろいろな職場を幾つか回ったが、いろいろな出会いがあって、助けてもらったり、いまだにお付き合いしてくれている方たちもいる。僕は幸せ者だと思う。

3月1日(金)

妻が静岡にいるので、つながりはラインでの通話やメッセージ機能。夜中もつなげていて、妻の寝息が聞こえたり、困っていることを拾えたり、励まされたり励ましたりしながら、二人四脚で過ごしている。私はこうなることを予測して、私たちは二人四脚の関係性と、詩に詠んだり、日記に書いたりしてきた。そういう意味では自分なりにどうなるか、どう考えたらいいのか、それなりに予測し、思想として育んできていてよかったなと思っている。

3月2日(土)

普段から目立たさず、ちゃんと働いているが、忙しそうになくて、声かけやすくて、いつでもすぐに気持ちよくやって、ふとした時に一番最初に浮かぶ人でありたい。普通に美技なくやり抜けるので、感謝もあまりされない。

自由であり、努力を見せず、ふらふらしてて、人を選ばず能力を引き出せ、酸いも甘いも味わい、陰と陽を持ち合わせて、賢くなくて、偉くもない。地位もないしお金もないけど、会社のことは何でも知っていて、口が固くて余計なことも言わない。

何か残せるとしたら、上から決めたことではないが、名もなき一社員が残したいいことがノウハウとなって、社風となる、そんないいものをしっかり積み上げて、ふと気がついたら風のようにいなくなっていたい。

3月3日(日)

おはよう、妻さん。静岡でお母さん見ながら、よく頑張ってますね。

LINE越しに聴ける妻さんとお母さんの声を聴くと、ホッとします。人生にはあとで振り返って、あの時があるから今があるという時があって、そのあの時は今かもしれませんね。遠距離なので、いつものようにいかず焦ったいですが、なんとか乗り越えましょうね。愛してる。

今日は久しぶりに、体調が良くて時間の取れる晴天の休日ですので、大掃除並みに生活環境整える日にしますね。テーブルクロスも洗ったり、キッチンやトイレなどの水回りも綺麗にしますね。

鬼柚子をジャムにしたり、舞茸ご飯炊いたり、シンプルで美味しい食事を作って、実家の両親にも持っていこうと思います。実家のWi-Fiの変更処理も頼まれているので、少し寄ってきます。

午前中にガッと済ませて、午後から創作活動やメルマガの準備しますね。そのあと、すやすやと眠ります。よく食べて、しっかり眠れているので、身体は回復傾向。ホワイトデーの準備も済ませたので、楽しみにしててください。妻さんも無理せずに、自分の時間も作ってね。遠隔から連絡処理できる事務手続きは任せてくださいね。  

※質問→回答集※

いろいろな方からやってくる質問に対する回答をまとめてみました。

<500年前にタイムスリップするなら何を持っていきますか?>

面白い質問だなと思って回答した。私は現代で扱っている料理道具や調味料を持って行って、お殿様に料理振舞って、取り立ててもらうと答えたのに対して、妻はひと言、マシンガンと破壊力のある回答をして、さすがわが妻!とますます好きになった。質問者からは、二人ともそれぞれ反対方向に、ぶっ飛んでいますねと苦笑いしておりました。

<休日の過ごし方を教えてください>

家事や創作活動をしながら、家でのんびり過ごすことが多いです。まとまった時間があっても、だらだらと過ごしてしまう。しかし、このだらだらが、一週間働くためには大事な気がします。

<日本国内で、旅行するならどこへ行きたいですか?>

安芸の宮島さんに行きたいです。一度社員旅行で行って、とても良かったので、ゆっくりと妻と回りたいです。

<あなたにとって家族とはなんですか?>

苦楽を共にできる人たち。日々の楽しみを分かち合って、生老病死を助け合いながら寄り添う。

<好きなコンビニスイーツは何ですか?>

コンビニスイーツに当たるのかどうかわかりませんが、ミニストップで販売されている練乳鈴カステラが大好きで、おすすめです。

※作品(詩・散文)※

『海を飼う』

右耳を悪くした

鼓膜に炎症を起こしているよう

耳の奥に

海を飼っている

ざざん、ざざん

静かに響いている

瀬戸内海のような波

貝殻を聴いているよう

経験したはずの忘れかけていた

失われたデジャヴ

治るまで楽しもう

次の耳鼻科は金曜日

『完全宇宙とバケツ』

女性は完全宇宙だから

引くことで

バランスを取る

男性はバケツのキャパだから

足すことで

使える力が漲る

妻と暮らすようになって

足し算で考えると、いつも失敗する

新婚当初のひな祭りの日に

体調悪くて寝ている妻を喜ばせようと思って

ちらし寿司を作って食べられなくて

冷やご飯で雑炊作り直して

体調整ってくれた経験がある

買ってきていたひな祭りケーキについていた

お内裏さまとお雛様のお菓子がおかっぱで

二人で大爆笑した記憶がある

そういう失敗はたくさんある

※食卓※

2月28日 夕食

オードブル

手軽に作れるものを中心に、一つの皿に盛り合わせた。野菜もしっかり取れて、美味しくできた。一人暮らしにはこの形式がとてもいいかなと思う。

2月29日 夕食

お蕎麦・豚肉の炒め物・キャベツの千切り

無性にお蕎麦が食べたくて、作った。一人だと栄養のバランス抜きにして、作ってしまうので行けないなと思う。簡単でお腹にたまるものという感じで、男子力が出てしまう。

3月2日 朝食

仕事ある時には早朝出社するので、朝はバタバタとしている。土曜日は久しぶりにゆっくりと頂きました。掃除も終わり、実家の用事も済ませてきます。近所のスーパーが、3月1日にお休みしたので、2日は新しくても面白い商品は言ってそうで、楽しみ。料理のレパートリーが増えるといいな。

3月3日 朝食

サンドイッチモーニング

洗濯物を干して、朝食にした。家事しながら一日のんびり、笑顔で過ごそう。カフェのモーニングのように美味しそうにできた。

3月3日 食材づくり

柚子ジャム

鬼柚子が一個残っていましたので、柚子ジャムを作りました。味見しましたが、なかなかいい味。これからしばらく、柚子茶やスイーツ楽しめます

3月3日 おやつ

苺パフェ

春になり、苺の季節になり価格が下がってきたので、1パック買って、アイスクリームやヨーグルトや生クリームを使って、苺パフェを作った。カフェやコンビニのようには奇麗にはできないが、シンプルで採っても美味しいパフェになった。

※詩や小説や曲の感想※

『正直不動産 / NHK 』

個性的な登場人物がたくさん出てきて、皆様それぞれ過去に痛みを抱えつつ、現在に向き合っている。共通しているのが、仕事に対して情熱を持ち、しのぎを削りながら、潰し合い、切磋琢磨している。主人公の長瀬財地は、嘘に嘘を重ねて、営業成績トップだったが、地鎮祭で祠と石碑を誤って壊してから、嘘がつけなくなって、自分の正直な言葉しか言えなくなる。そして、成績がガタ落ちになる。しかし、新入社員の月下咲良の影響もあり、正直にお客と向き合うことに尽力するようになって、次第に自分を取り戻していく。物語の中にいろいろな伏線があって、ドラマチックで面白い。現在NHKで、正直不動産2をしているそうで、そちらも見たいと思っている。いろいろ考えさせられることがあって、働くことに関して、意欲的になれるドラマでした。

※編集後記※

ようやく体調が戻りつつあり、仕事も私生活もリズムが出てきた。妻の居ない一人での生活も慣れつつあって、寂しさにも慣れつつある。人間慣れていくんだよなと思いながら、少しでもいい方向に向かうように、あがいたり知恵を絞ったりする。僕は利回りの低い金利で、長期間で結果出すタイプなのだから、身近な人に大きな利益を与えられないのかもしれない。

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